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季刊「生命誌」は音楽などの文化を最新の科学と同居させ、新しい知の表現を試みる冊子として、開館と同時に創刊しました。
2019年に100号を迎え、記事数は800を越えます。生命誌の本棚を巡る気持ちで自由に記事を行き来してみてください。

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“自然”での検索結果を表示しています。(78 件の記事が該当しました)

TALK

自然からいただく清らかなもの

土井善晴 × 中村桂子

1957年、大阪生まれ。スイス、フランスでフランス料理を学び、帰国後、大阪「味吉兆」で日本料理を修業。土井勝料理学校講師を経て1992年に「おいしいもの研究所」を設立。変化する食文化と周辺を考察し、持続可能な日本らしい食を提案する。著書に『おいしいもののまわり』『一汁一菜でよいという提案』ほか多数。

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この記事を含む季刊「生命誌」

TALK

距離と尊重をもって自然に接する

崔 在銀 × 中村桂子

1953年ソウル生まれ。76年より東京に在住し、草月流で華道を学ぶ。84年から3年間、草月流三代目家元、勅使河原宏のアシスタントとなる。95年には、日本代表の1人として第46回ヴェネチアビエンナーレに出品するなど、国際展への参加多数。2001年には、映画「On The Way」を発表した。2000年からはべルリン在住。

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TALK

生命誌を編む三つの対話

伊東豊雄 × 新宮晋 × 末盛千枝子 × 中村桂子

1941年ソウル生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。1971年にアトリエ開設。ヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞、プリツカー賞など多数受賞。主な建築作品に〈せんだいメディアテーク〉〈多摩美術大学図書館(八王子キャンパス)〉、著書に『風の変様体』『あの日からの建築』などがある。
新宮晋(しんぐう・すすむ)
1937年大阪府生まれ。東京芸術大学絵画科卒業後,渡伊,留学中に立体作品へ転向し、風で動く彫刻を制作し始める。巡回野外彫刻展「ウインドサーカス」を欧米9ヵ所で開催。自然エネルギーで自活する村「ブリージングアース」を構想。代表作に「光のさざ波」「はてしない空」(関西国際空港旅客ターミナル)など。
末盛千枝子(すえもり・ちえこ)
1941年東京生まれ。父は彫刻家の舟越保武。1988年株式会社すえもりブックス設立、代表となる。IBBY名誉会員。M.ゴフスタインの作品の紹介や、まど・みちお氏の詩を皇后美智子さまが英訳された本など、国内外で独自の価値観による出版活動をした。岩手へ転居した直後に震災に遭う。以降、被災地の子供達に絵本を届ける「3.11絵本プロジェクトいわて」代表を務める。

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TALK

絵と言葉で自然を描き出す

今橋理子 × 中村桂子

1964年東京都生まれ。学習院大学大学院人文科学研究科哲学専攻博士課程修了。日本学術振興会特別研究員、東海大学文学部専任講師を経て、現在、学習院女子大学国際文化交流学部教授。秋田蘭画から花鳥画、動物画などの実証研究を通して、絵画作品の歴史的な意味を明らかにする。著書に『江戸の花鳥画』『秋田蘭画の近代』ほか多数。

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TALK

地球をめぐる風と水と生きもの

石 弘之

1940年東京生まれ。東京大学卒業後、朝日新聞社に入社。編集委員、ニューヨーク特派員などをつとめる。東京大学大学院教授、駐ザンビア特命全権大使、北海道大学大学院教授を経て、2008年より東京農業大学教授。この間、国連環境計画上級顧問、国際協力事業団参与などを歴任。国連ボーマ賞、国連グローバル500賞など受賞。著書に『地球環境報告』『私の地球遍歴』ほか多数。

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季刊「生命誌」63号めぐる

地球をめぐる旅を続け、現場からの報告を送り続けてきた石さんの「循環しか将来を生きる道はない」という言葉は重みがあります。地球環境問題という文字を見ない日はないのに、地球全体がつながっているという実感をもちながら暮らす人はなかなかふえません。生物が有限の場である地球で40億年近く続いてこられたのは、「めぐる」を基本にしてきたからであり、人間は生きものという感覚に基づく社会づくりの提案を続けなければならないと改めて感じました。リサーチで示された、土壌微生物と土壌動物が地上と地下の間で物質をめぐらせるしくみはみごとで、人間が農業で壊す土を作り直し続けてくれるありがたさがわかります。ミミズはダーウィンも高く評価したのを思い出します。BRHをめぐる研究は、昆虫進化です。オサムシに始まり、現在は昆虫全体の進化を系統解析で追う蘇研究室。発生の比較から進化を追う町田さんの研究は、まさに生命誌を描き出すみごとな成果で、今後も協力をお願いし、面白い結果を出して行きたいと思います。サイエンティスト・ライブラリーは、「考える人」という印象の強い坂野仁さん。一流の免疫学者であることを捨てて神経科学にとび込み、嗅覚で独自の成果をあげた今、また何を考えているのか。常に動いているのが魅力です。(中村桂子)

TALK

劇的に変化してきた地球と生命

田近英一

1963年東京生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士。2002年より東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻准教授。専門は地球惑星システム科学。地球をシステムとして捉え、地球環境の進化を追う。著書に『凍った地球―スノーボールアースと生命進化の物語』『地球環境46億年の大変動史』ほか。

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季刊「生命誌」62号めぐる

めぐるの基本は、宇宙、地球、生命体を構成している物質の循環でしょう。なかでも地球の火山活動が供給する二酸化炭素の役割が重要とわかってきたと田近さん。地球凍結という劇的事実を生物進化に結びつけて語ってくれました。このような自然のダイナミズムの中に人間を置くと、少し違う眼が持てそうです。

リサーチは、細胞膜の中での分子のとんぼ返りが、増殖や死など細胞の活動に重要な役割をしているという発見です。細胞膜は、内外を区切りながら物質を選択的に通過させるものと位置づけてきましたが、細胞や個体の行動に大きな役割を果たす驚きの存在です。

BRHをめぐる研究は、昆虫の食べものの好みです。脚先の味覚受容体で味を感じるハエとチョウ。ここでも物質と細胞と個体の行動とが結びつきます。食わず嫌いをなくしたり、さまざまな混合物を識別したり、脚先の遺伝子のはたらきが進化につながる様子が見えてきます。

サイエンティスト・ライブラリーは、30過ぎまで定職がなく親を心配させたという体験をしながら自分で考えることを大切にし、それまでまったく光のあたっていなかった細胞内の液胞のみごとな働きを明らかにした大隅良典さん。こういう生き方もいいなあと思います。(中村桂子)

TALK

島々をめぐる人々の暮らしの知恵

印東道子

東京生まれ。1976年東京女子大学文理学部卒業。同史学科助手を経て、ニュージーランド・オタゴ大学人類学部大学院博士課程修了。Ph.D.。北海道東海大学国際文化学部助教授、教授を経て2000年より国立民族学博物館教授。総合研究大学院大学教授を併任。専門は、オセアニア考古学、文化史。主な著書に『オセアニア 暮らしの考古学』『島嶼に生きる』『環境と資源利用の人類学』ほか。

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季刊「生命誌」61号めぐる

今年のテーマは「めぐる」でしょう。カードの愛読者から言われてドキリ。図星だったからです。生命誌について一緒に考えて下さっていることをありがたく思います。地球を形成する海と陸。その関わりの中で生きてきた人類の歴史の縮図を見せてくれるのが「島」であることを教えて下さった印東さん。島を巡る人々の自然との関わりから、改めて生きものの一つとしての人間を感じました。

リサーチは巡る季節を知るメカニズムの解明です。引き金は日長。地球が自転しながら太陽のまわりを回り続けてきた中で得た生き方です。ふと、24時間明かりをつけて暮らす現代の都会生活の異常さを思います。「BRHをめぐる研究」として、館での研究と、それに関わる外部の研究とを紹介します。さまざまな生きものでの体つくり、とくに体節つくりを比較し、個体の発生から進化を見ている小田研究室です。学会で数理モデルで同じテーマに取り組んでいる藤本さんと出会い、遺伝子ネットワークを探る共同研究が始まりました。

サイエンティスト・ライブラリーは顕微鏡で見た細胞の美しさへの感動を基に、自ら開発した急速凍結法で観察できる細胞像の中に知りたいもののすべてがあるとおっしゃる廣川信隆さん。研究者のお手本と尊敬しています。(中村桂子)

TALK

一つ一つの生きものを見つめる眼差し

鷲谷いづみ × 中村桂子

1950年東京都生まれ。東京大学大学院理学研究科博士課程修了。筑波大学生物科学系講師、助教授を経て現在東京大学大学院農学生命科学研究科教授。生態学、保全生態学が専門。中央環境審議会委員、日本学術会議会員。著書に『天と地と人の間で』『サクラソウの目』『生態系を蘇らせる』ほか多数。

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TALK

生きものが暮らす空間が生まれる

伊東豊雄 × 中村桂子

1941年ソウル生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。1971年にアトリエ開設。近年は独自のアルゴリズムを用いた有機的な建築を展開する。主な建築作品に〈せんだいメディアテーク〉〈サーペンタイン・ギャラリー〉、著書に『風の変様体』などがある。

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季刊「生命誌」54号生る

●「創る」も「生る」になる
「生る」。自然を思わせます。その対極にあるのが「創る」。人工です。都市はまさに創るで満ちています。ところが建築に「生成する」という考えとその具体化方策を持ち込み、ふしぎで楽しい空間を生み出しているのがトークの伊東豊雄さん。生きものの巣のような洞窟のような。建築自体が生命体のように自分で動いて行きそうな感じがします。リサーチは、生きものの形によく見られる樹状パターンに注目し、パターン生成のモデルを提案。形つくりは重要なテーマであり、モデルから基本ルールを探すのは興味深い方法です。もう一つは、大腸菌という分子生物学のモデル生物を用いて、分子のはたらきから行動が生まれる過程を詳細に追う研究。人間も含めた生きものの行動の由来を単細胞で考えるのは一つの方法でしょう。形や行動の背後にあるきまりが知りたいものです。サイエンティストライブラリーの柳田充弘さんは、芸術家になっていたかもしれないという感性を生かしての研究。勘と好みを生かした物語りつくりという考え方は、生命誌と重なっています。BRHからの発信も、「生命誌の種」というラボとSICPの共同企画や朗読ミュージカル「いのち愛づる姫」の京都公演のお知らせなど盛りだくさんです。

RESEARCH

他者の象徴としてのライオン ―カラハリ砂漠の狩猟民グイの視点から―

菅原和孝

1949年東京都生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。北海道大学文学部助手、京都大学教養部助教授、同総合人間学部助教授・教授を経て、2003年より京都大学大学院人間・環境学研究科教授。

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季刊「生命誌」52号関わる

分子から人間まで、生きものに関わるものは、全て「関わり」の中にある。その中でRNAをとりあげ語り合った。DNA→RNA→タンパク質という図式で教科書に登場しながら中間管理職(?)のようにちょっと影が薄かったRNAに最近光が当たっている。DNAのように情報をもち、タンパク質のようにはたらく両刀使いが、生きものらしさを支えているとわかってきたからである。中村義一さんを叱ったのではなく、RNA研究の面白さを強調したのである。リサーチ。単細胞生物の細胞性粘菌は、時にナメクジやキノコになる形の変化につれて多細胞化の過程を見せる人気者。その陰にあるゲノムのはたらきを見た。狩猟生活者グイは、動物と一体感をもちながら、「強い他者」としてのライオンに重要な役割を与えることで、秩序を作っている。細胞と種。共に関わりの重要さが見える。サイエンティストライブラリーは「ヒマワリは本当に日と共にまわるのか」という子供時代の問いを抱き続け、植物生理学を追究した柴岡弘郎さん。「植物に聞く」に徹する姿勢が見事だ。“関わる”を軸にさまざまなテーマを展開したこの1年。あらためて、関わることが生きることであると実感できたのではないだろうか。

TALK

生命誌という作品づくり

岡田節人

1927年兵庫県伊丹市生れ。京都大学理学部卒業。京都大学教授、岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所所長、同機構長、国際生物科学連合副総裁等を歴任。1993年から2001年3月までJT生命誌研究館館長。京都大学、基礎生物学研究所、総合研究大学院大学それぞれの名誉教授。JT生命誌研究館名誉顧問。ハリソン賞ほか受賞多数。主な著書に『細胞の社会』『からだの設計図』などがある。

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季刊「生命誌」50号関わる

今回は創刊50号を記念した特別号です。感謝の気持ちを込めて、少しだけ豪華な内容にしました。50号記念として岡田節人名誉顧問との対話、強力応援団の勝木さん、西垣さんとの座談会で、生命誌のこれからを考えました。科学が科学技術に吸収され、じっくり考える場が少なくなっているために、美しくあろうとか日常性を忘れないという当たり前のことが、当たり前でなくなっています。それを再認識して、初心を忘れず挑戦を続けることが大切という示唆を得ました。リサーチは、研究館の6グループの現在をまとめました。ラボセクターは小さなグループですが、発生・進化・生態系を総合的に見る姿勢を忘れず、特徴ある成果をあげつつあります。研究の表現への意欲も高まり、論文はもちろんレクチャーなども積極的に行っています。活用して下さい。SICPセクターは、独自の表現への挑戦の先駆者を自覚し、それを楽しんでいます。サイエンティストライブラリーはお休みです。季刊『生命誌』はトーク、リサーチ、サイエンティストライブラリーを主軸に編集してきました。ホームページを新しくし、これまでの記事の中からwebで呼んで頂けるものが241になりました。これからも増やしていきます。これまでをまとめてみたら、基本は変えず、時代と共に動いてきた生命誌が浮かび上がりました。50号を機とした「生命誌への思い」を受けとめて頂ければ幸いです。

TALK

学問と日常を一緒に

勝木元也 西垣通

1943年福岡県生れ。東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。九州大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学。後に、東京大学医科学研究所ヒト疾患モデル研究センター教授などを経て、2001年より現職。専門は分子生物学・発生工学。カイコ・マウスの研究システム等、日本の発生工学の確立に貢献。

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季刊「生命誌」50号関わる

今回は創刊50号を記念した特別号です。感謝の気持ちを込めて、少しだけ豪華な内容にしました。50号記念として岡田節人名誉顧問との対話、強力応援団の勝木さん、西垣さんとの座談会で、生命誌のこれからを考えました。科学が科学技術に吸収され、じっくり考える場が少なくなっているために、美しくあろうとか日常性を忘れないという当たり前のことが、当たり前でなくなっています。それを再認識して、初心を忘れず挑戦を続けることが大切という示唆を得ました。リサーチは、研究館の6グループの現在をまとめました。ラボセクターは小さなグループですが、発生・進化・生態系を総合的に見る姿勢を忘れず、特徴ある成果をあげつつあります。研究の表現への意欲も高まり、論文はもちろんレクチャーなども積極的に行っています。活用して下さい。SICPセクターは、独自の表現への挑戦の先駆者を自覚し、それを楽しんでいます。サイエンティストライブラリーはお休みです。季刊『生命誌』はトーク、リサーチ、サイエンティストライブラリーを主軸に編集してきました。ホームページを新しくし、これまでの記事の中からwebで呼んで頂けるものが241になりました。これからも増やしていきます。これまでをまとめてみたら、基本は変えず、時代と共に動いてきた生命誌が浮かび上がりました。50号を機とした「生命誌への思い」を受けとめて頂ければ幸いです。

TALK

[葉っぱから考える] 違和感としてわかる豊かな形作り

塚谷裕一 × 中村桂子

1964年神奈川県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。現在、東京大学大学院教授、基礎生物学研究所客員教授。専門は葉の発生・分子遺伝学。海外でのフィールド調査や、植物の多様性についての研究も行なっている。日本文学に登場する植物にも詳しく『漱石の白くない白百合』などを著わす。その他『秘境・ガネッシュヒマールの植物』『植物の〈見かけ〉はどう決まる』『植物のこころ』など著書多数。

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季刊「生命誌」48号観る

“観る”の原点は子供時代の朝顔の観察だろう。動かない植物はこちらもじっと見ることになる。身近な昆虫を調べ尽くした後、日本の植物図鑑が全てを網羅し良質であることに気づいて、植物を徹底観察した塚谷少年は、遺伝子から野外、更には小説の中と、あらゆる植物の姿を観て、“形とはなにか”を考える魅力的な研究者になった。植物の研究者がもっと増えてもいいのにと思う。

リサーチは、光合成を支えるタンパク質が、逆の反応とみられる呼吸で使われるものとほぼ同じで、しかも更にエネルギーを効率よくつくる工夫が加えられているという話。立体構造をよく観たらわかった動かない植物特有の巧みさである。リサーチ二つめは脳内のニューロン以外の細胞の機能。大量に見えているのに何故か情報伝達とは無関係とされてきた細胞が、カルシウム濃度の増減によって運動・感覚などの脳機能に関わっていたのである。見えているものを見直した話である。

アートはマンダラ。見えない仏の世界を形にし、聖と美を一体化して宇宙観を表した見事さは、観ると表現を考える私たちを圧倒する。生きものをよく観て現代のマンダラを描きたいと思う。

サイエンティストライブラリーは藤澤肇さん。眼から伸びた神経が正確に視覚野につながるのは、試行錯誤の末のこと。軸索を見えるようにしたことで、伸びる軸索を誘導するタンパク質とこちらへ来てはいけないというタンパク質の組み合わせでだんだんに正確な方向に導かれることがわかった。“観る”が研究の始めで終わりと断言する。

まさにその通り。一年間「観る」をテーマにし、細かいことを知る、基本を考える、統合化するなど全てが、じっくり観るところから生まれることを実感した。

中村桂子

TALK

[実物から探る] 自然と歴史を観る喜び

藤森照信 × 中村桂子

1946年長野県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。現在、東京大学生産技術研究所教授。建築探偵団、路上観察学会など多彩に活躍。著書に『看板建築』『建築探偵の冒険』『日本の近代建築(上・下)』『人類と建築の歴史』他。主な建築作品に<神長官守矢史料館><タンポポ・ハウス><秋野不矩美術館><高過庵>など。

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季刊「生命誌」47号観る

ぼくらは建築探偵団”とばかり、学生時代に暇にあかせて歩き回ったのが原点という藤森さん。設計図や写真を見れば建築のことはわかるとされていた中で、町に建つ家を自分の眼で見ることで、生活感覚を含めた新しい発見が多いことに気づいたという。建築を通して人間を見つめる眼に厳しさと暖かさがある。

リサーチのツボは細胞と細胞をつなぐ分子(カドヘリン)。生きものの形づくりの基本となるこの分子自身の形に、多様でありながら共通性をもつという生きものらしい性質がみつかり、分子の形の進化から生きものの進化が見えてきた。リサーチ二つめは、イリオモテヤマネコ。長い間西表島をくまなく歩いて続けてきた観察から、たった数百匹で20万年生き続けた小さな島のネコの特異な生き方が浮き彫りになった。生態系とその中での一つの生きものの生き方との関係を知るモデルとして面白い。

アートは擬人化。動物はおろか器具にも人の目を描いてきた日本の絵画と分子に目を描いたBRHの映像「細胞くん」。愛づるというところで共通点がありそうだ。

サイエンティストライブラリーは郷通子さん。タンパク質を物質として、時に生きものの一部として見ることで、その基本構造を探し出し、進化を考えた生物物理学らしい仕事をなさった。生命誌コーギはがん。医学・医療が生きることの本質を見つめるもの、また見つめねばならぬものであると思わざるを得ない。

鳥獣戯画の人の目の鳥が、見るだけでなく「観ている」ことに気づき、目は観ていることを知らせる意味も持つという“発見”をした。日本絵画を生命誌の目で見ていくとさらに楽しい発見がありそうだ。

中村桂子

RESEARCH

「野生の科学」の可能性-イヌイトの知識と近代科学

大村敬一

1966年静岡県生まれ。1997年早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了、博士(文学)。早稲田大学人間科学部助手、大阪大学言語文化部講師を経て、現在大阪大学言語文化部助教授。

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TALK

生を写す視点

佐々木丞平 × 中村桂子

1941年兵庫県生まれ。京都大学文学部卒業。文化庁文部技官、調査官を経て、現在、京都大学大学院文学研究科教授、同大学附属図書館長。 美学、美術史学(日本近世絵画史)専攻。

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TALK

生物学のロマンとこころ

岡田節人 × 中村桂子

1927 年兵庫県伊丹市生まれ。京都大学理学部卒業。京都大学教授、岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所所長、同機構長、国際生物科学連合副総裁等を歴任。1993年から2001年3月までJT生命誌研究館館長。現在、京都大学名誉教授、JT生命誌研究館特別顧問。

季刊「生命誌」に掲載された記事のうち、
多様な分野の専門家との語り合い(TALK)研究者のインタビュー(Scientist Library)の記事が読めます。
さまざまな視点を重ねて記事を観ることで、生命誌の活動の広がりと、つながりがみえてきます。

オンライン開催 催しのご案内

シンポジウム

6/4(土)13:00〜16:30

虫の会 コケ食昆虫の自然史 〜生物の暮らしをたずねる旅〜