2.研究する - 生きものの発生・進化・生態系にそった研究をしています。

世界観

2-4 ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろう 〜 細胞・発生・進化研究室

2-4 ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろう 〜 細胞・発生・進化研究室

私たちが開拓した新しいモデル生物オオヒメグモの発生や細胞を調べ、昆虫や脊椎動物と比べることによって、動物の多様性の原点を探ります。


琥珀の中のハエとクモ

 ハエとクモは私たちの生活に身近な節足動物です。これらの動物はどのような経緯で地球上に誕生することになったのでしょうか? 時を遡ればハエとクモの共通祖先がいたはずです。さらに遡ればヒトとの共通祖先もいたでしょう。私たちの研究室は、現存の動物種の共通祖先を科学的に理解しようとする努力を通じて、動物の多様性が形づくられてきた仕組みを解明したいと考えています。
 ハエとクモの共通祖先が存在していたのはきっと今から5〜6億年以上前のことでしょう。想像を絶するほど長い時の流れがそこにはあります。それでも、変異を重ねながら受け継がれてきたゲノムの遺伝情報に手がかりがあるはずです。ゲノムにコードされている発生システムや細胞の構造や機能を調べ、動物種間で比較することによって、過去の状態をある程度推定することができると考えています。しかし、比較する対象があまりに違い過ぎると何と何を比較してよいのか客観的な判断ができません。例えば、ハエの“あし”とヒトの“あし”を比較してもよいのでしょうか。ハエとクモなら同じ節足動物、からだの全体的な形も似ていて、それでいて、5億年以上も前に系統が分岐しています。この比較がカンブリア紀の動物を理解するためのひとつの窓口を提供してくれるはずです。
 教科書でよく知られているようにハエ(キイロショウジョウバエ)はモデル生物としてこれまで精力的に研究されてきました。それに対して、クモは研究に使われることはほとんどありませんでした。それでも私たちは、10年前にオオヒメグモの有用性に目をつけ、このクモ種を新しいモデル生物として開拓してきました。オオヒメグモは、遺伝子機能に基づいて比較学を展開できる貴重な動物です。これまでの私たちの研究では、クモの発生システムにはハエよりも脊椎動物に似ている部分があることが分かってきています。私たちは、ハエとクモの比較を足掛かりにして、多細胞動物の形態的多様性を生み出した普遍的な原理を探究したいと考えています。

より深く知りたい方に
日本語のレビュー Publication list原著論文・日本語のレビュー

スタッフ
小田広樹
秋山-小田康子
秋山-小田康子
野田彰子
西口茂孝
主任研究員
小田広樹
  奨励研究員
佐々木瑞希
  学振特別研究員
秋山-小田康子
  研究補助員
野田彰子
  大学院生
西口茂孝

この研究室に関するお問い合せはこちらまで
TEL:072-681-9751 FAX:072-681-9757

研究室のメンバーが日常思ったことや実験の現場の様子を「ラボ日記」に掲載しています。
一般の方がご自由に参加できる、実験室見学ツアー研究員レクチャーを開催しています。

年度別活動報告年度別活動報告

ラボ制作ホームページ
 「トップページ」
 「細胞間ジャンクションの多様性と進化」
 「クモの分子発生生物学」
 「ショウジョウバエの形態形成」
  • 研究室の活動は科学論文や学会発表という形に限りません。
    表現 (SICP) セクターと連動し、様々なやり方で研究を表現していきます。
  • 大阪大学の連携大学院となっています。
  • これまでの学位取得者とそのテーマ
    1.平成18年度 修士論文 春田知洋
    「DE-cadherin細胞外領域のドメイン構成の機能的意義の解析」
    2.平成19年度 修士論文 金山真紀
    「オオヒメグモの胚盤周縁部領域に着目した節足動物門における前方部形成機構の解析」
    3.平成21年度 博士論文 春田知洋
    「DE-cadherin細胞外領域の構造と機能が果たす形態形成過程における役割」
    4.平成22年度 博士論文 金山真紀
    「顕微注入法を用いたクモ胚の頭部体節形成機構の解析」

  • チョウが食草を見分けるしくみを探る
  • DNAから進化を探る
  • チョウのハネのできるしくみを探る
  • ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろう
  • カエルとイモリのかたち作りを探る
  • 論文一覧
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